この記事は、京都の一人旅をお考えの方の中でも、
- 歴史が好き!(特に幕末)
- 混雑する社寺仏閣は避けたい
- 不便な場所や移動に時間がかかるエリアは除外
- 周辺で食事も買い物も済ませたい
- 一人でじっくり楽しみたい
という方に向けた割とピンポイントな内容だと思います。
目 次
京都の木屋町で一人静かに幕末の歴史をたどる
京都の中心地ともいえる四条エリア。
こちらはアクセスも良く、お店もたくさん集まったいわゆる繁華街です。
- 京阪
- 阪急
- 京都市営地下鉄
- 市バス
- タクシー
と、交通手段も集結しており、ホテルやレストラン、デパート、小売店、夜のお店などなど何でもあります。
そしてその華やかで賑やかな街の中にも、ひっそりと多くの史跡が残されています。
その中の「木屋町」に焦点を当ててみましょう。
木屋町と言えば「高瀬川」
木屋町を流れる高瀬川は、実は京都の一番有名な川「鴨川」と関係しています。
位置的にも鴨川と並行して流れていますが、それには理由があるんです。
高瀬川開削を豊臣秀吉から命じられたのが「角倉了以(すみくらりょうい)」という職人です。
川を新たに作るというのは、大変な知識と技術を持った人にしか指揮できません。
ではこの角倉さん、一体どのような方なのでしょう?
角倉了以は、洛西の富豪で名門の生まれでした。
経済・社会事業に関して特に詳しく、熱心に河川の測量開発に取り組んでいました。
- 水流を切り開く
- 激流をおだやかにする
- 深い川を浅くする
- 水路を開き船が通行できるようにする
こういった技術を確立し、熱心に取り組んできたのです。
高瀬川の開発もその偉大な功績の一つです。
豊臣秀吉が方広寺大仏殿を再建するとき、資材の運送に困っていました。
京都は山も多く、陸路で大量の資材を運ぶとなると途方もなく人手も時間も必要です。
そこで角倉了以は、鴨川に船を通し巨大な材木を運ぶことを提案して実現してしまいました。
「陸ではなく川で運搬」
これがポイントです。
さらに慶長16年、徳川幕府の認可を受け、角倉は鴨川に水路を開いたのです。
北は二条から南は伏見に至る、長さ2754丈、幅21尺の水路です。
この水路には水門を設けて水量を調節し、規則を定め担当者を置き管理しました。
これが「高瀬川」なのですね。
慶長16年(1611)より着工したこの工事は、
- 二条から東九条まで水路を開く
- 東九条で鴨川と交差
- さらに伏見まで水路を伸ばし淀川へ合流させる
といった大変な規模のものでした。
そして、慶長19年に完成しました。
木屋町の由来と場所
木屋町は、読んで字のごとく「材木屋さんの町」です。
高瀬川は今は浅い川で景観として保たれていますが、以前は物資を運ぶために高瀬舟という小さな船が行きかう重要な川でした。
高瀬舟は様々な物資を運んでいましたが、この一帯は材木屋が多く、それが「木屋町」という名前の由来です。
このほかにも「紙屋町」「家具屋町」など、当時そのエリアで栄えていた商売がわかるネーミングが興味深いですよね。
舟で運んだものの荷下ろしや方向変換をする「舟入」は、今は「一之舟入」以外は、写真のように石碑のみです。
なぜ一人旅に木屋町なのか
ではなぜ、この木屋町エリアを一人旅の候補としておすすめするかと言うと・・・
このエリアは「ギャップ」が凄いからなんです。
今現在の木屋町は、繁華街です。
ハッキリ言って夜の町です。
- 居酒屋やバー
- 小料理屋さん
- キャバクラ
といった大人の街です。
私は正直ほとんど行きません(笑)。
「夜」には!
ですが、昼間の雰囲気は夜とは打って変わって、同じ町とは思えないほどです。
高瀬川と桜の美しさや、あちこちに残る歴史的な爪痕。
この昼と夜のギャップが激しく、昼間は私のようなオタク気質の人の心をくすぐる物の宝庫なのです。
なので、
夜は繁華街で大人の街だけど、
「昼間に歩く木屋町の面白さ」
これを私は推したいと思います。
木屋町を駆け巡った幕末の重要人物たち
さて、木屋町と高瀬川についてお話してきましたが、この木屋町が商売人で賑わっていたからこそ、幕末の志士たちもここに集まったとも言えます。
木屋町の名前の由来である材木屋も、実際に「事件現場」となりました。
坂本龍馬や海援隊メンバーをかくまった材木屋さんや、追い詰められた場所、刀傷まで・・・
とにかく木屋町では、
- 多くの作戦が話し合われ
- 多くの教えが広まり
- 多くの志が成し遂げられ
- 多くの対立が生まれ
- 多くの裏切りがあり
- 多くの血が流れ
本当に本当に様々な出来事が起こりました。
木屋町は、幕末の激しい歴史の跡が色濃く残されているエリアなんです。
幕末にタイムリープできる木屋町の面白さ
すでに述べましたが、木屋町は幕末の舞台でもあります。
だからこそ、昼の姿を心行くままじっくり見てほしい。
普通に歩いていると見過ごしてしまうような場所にひっそりと何らかの跡があるんです。
今の木屋町は、
- たくさんの人が飲み食いし
- 会話を楽しみ
- 歌い
- 盛り上がる歓楽街
幕末の木屋町は、
- 志を持った志士たちが駆け巡り
- 多くの争いが起こり
- 多くの血が流れた激動の地
この違いをここで無念にも命を落とした人たちはどう見てるかなぁ・・・
平和が一番、と喜んでくれているだろうか・・・
何かを今も心配しているだろうか・・・
そんなことを自分勝手に妄想しながらただ歩く。
そんな時間が私はとても好きです。
まとめ
旅は想像力を掻き立てられれば掻き立てられるほど面白い!
私はそう思います。
それは何も、有名どころに行って有名なものを食べ、有名なお土産を買うだけではないと思います。
自分にとって「面白い」と思うものだけを追求し、様々な想像力も駆使しながら回るのは何とも贅沢です。
- ついこの間、あの人が、ここを走って逃げたのかな
- こんな場所であの人が隠れていたのかな
- ここであの人とあの人が作戦会議をしていたのかな
こうやって歴史上の人物を自分の想像力で探求していくのは最高に面白いと思います。
京都にはそういった「大人の遊び」ができる場所がそこかしこにあります。
是非ご自身の「好き」を探求し、自分だけの京都旅を楽しんでください!
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ガイド付きで周ってみたいなぁという方は、どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。
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