この記事では、京都人に最も親しみのあるかもがわについて、地元民でも意外と知らない(かもしれない)鴨川と賀茂川の違いについて解説していきます。
京都にいらっしゃる際には、是非かもがわも見に行ってみてください!
眺めるもよし、座ってゆっくり過ごすのもよし、歩いて健康維持に努めるもよし!
鴨川の魅力をより一層お伝えできるよう、調査してきました!
京都人と鴨川の関係
弊社は地元に根差した旅行会社でスタッフは全員京都人です。
しかし…京都に詳しい部分と、意外と京都やけど知らんかも?という部分があるのが私の正直なところです。
そこで、今回は「知らんかもシリーズ」として鴨川と賀茂川について改めて調べてみたこと・新発見などを書いてみようと思います。
賀茂川の源流はどこか
鴨川と言えば、四条大橋のエリアは情報番組の天気予報や納涼床のシーズンの映像としてよく使われ、京都以外の方にとっても「鴨川」というイメージが浮かぶ景色ではないでしょうか?
筆者は学生時代にバスケットボール部の練習でも体育の授業でも鴨川をよく走っており「鴨ラン」と称しておりました。
鴨川は、京都を北西に流れる風光明媚な川として、桜シーズンにはお花見のお客様もたくさん訪れる場所ながら、地域住民の憩いの場として犬の散歩やウォ―キング、学生の課外活動の場として楽器の練習やスポーツの練習も日常的におこなわれ、多くの人の集まる魅力的な場所でもあります。
では、その鴨川はどこから始まっているのでしょう?
それは、京都の北西部の桟敷ヶ岳(さじきがたけ)という北区と右京区にまたがる山で北区では最高峰の山なんです。(標高896Ⅿ)
そこから雲ケ畑を経て鞍馬川も合流し、京都産業大学の近くの柊野(ひらぎの)付近で京都盆地に流れ出て、京都の中心市街地を還流しているわけです。
ちなみに京都では北の方角へ行くのを「上(かみ)・上がる」、南の方角へ行くのを「下(しも)・下がる」と表現しますが、鴨川は市街地を流れ下へ行くと桂川と合流します。
源流は上の桟敷ヶ岳という山、そこから街中を流れ、下流は下鳥羽(しもとば)付近で桂川と合流というわけですね。
今思えば…雲ケ畑といえば私にとってはバーベキューをする場所という感じなのですが、確かに源流により近い場所だからこそとても水がきれいなんですよね!
かもがわの漢字表記が違うのはなぜか
京都を縦に流れる長い長い鴨川ですが、長いだけにたくさん橋が架かっており、その橋の名前も上の方は「西賀茂橋」とか「賀茂大橋」とか「賀茂」という字が入っています。
しかし下に行くにつれ、「JR鴨川橋梁」とか「鴨川道路橋」とか「鴨」という字になるんです。
あれ?賀茂川?鴨川?
違う川なのか、同じ川だけと漢字が違うのか???と思いながらも深くは考えず過ごしてきた京都市民は私です(笑)。
というわけでついに調査しました(早よせえ)!
河川法では雲ケ畑から桂川との合流点まで全川を通じて鴨川と表記しているが、上流から出町の高野川との合流点(加茂大橋)までを賀茂川、それより下流を鴨川と書いて区別するのが慣例となっている。
「琵琶湖・淀川 里の川をめぐる~ちょっと大人の散策ブック~(財)びわ湖・淀川水質保全機構(社)日本水環境学会関西支部川部会(社)近畿建設協会」より
同じ「かもがわ」ですが、場所によって表記を変えているのですね!
なので、皆さんが出町柳にいらして「かもがわ」を見られた際は、「ここが賀茂と鴨の境目かぁ~!」と思いを馳せてみてください。
ちなみにこの地点の三角州は大学生のメッカ的な場所でもあります。
(新入生歓迎コンパとか花見とか色々場所取り合戦を繰り広げたのは今は昔…)
川と神社仏閣の関係
京都の真ん中を脈々と流れる賀茂川は、周辺の神社やお寺、農園などにも取水されています。
例えば上賀茂神社の周辺に社家町(しゃけまち)という町がありますが、そこに流れる美しい小川には同じ流れでもこれまたいくつも名前がついており、神社の中でも、神社に代々仕える人たちの生活にも使われてきました。
そういった歴史を紐解いていくと、鴨川と京都の人々との濃い関係性が見えてきます。
本当に神秘的でおもしろいですし、京都の代名詞ともいえる寺社仏閣についても新たな発見ができ、より一層京都を楽しめると感じます。
まとめ
京都を南北に流れる賀茂川は、北区と右京区をまたがる山に源流があり、そこから下へ下へと流れていく中で賀茂川から鴨川に名前を変え、やがて桂川と合流します。
その長い長い流れが各地でまた細かく分岐し、様々な京都の歴史や地域の人々の生活に深く交わっています。
命の源でもある大事な水、京都を支えてくれている清らかな水、そういった「水から見えてくる京都」も非常に興味深いですね!
弊社では、そういったちょっとマニアックな京都ならではのツアーを少人数で開催しております。
是非とも京都の好きな方、京都リピーターの方、京都が初めての方、様々な方にご参加いただければ幸いです。
一緒に京都で知の探究をいたしましょう!