こちらの記事では、京都市で7月に開催される行事の中からおすすめのものをいくつかご紹介いたします。

7月は文月(ふみづき)ですね。

文(ふみ)は書物をあらわし、昔は七夕に書物を夜風に干していたことからこの名がついたようです。
とてもお洒落な名前ですね。

さて、暑い暑い京都盆地の夏が始まります。

【京都の行事】2025年7月開催おすすめイベント

さて、いよいよ夏の京都本番という感じでしょうか。
「祇園祭の月」ですので、準備と片付けも含め1か月間ずっと祇園祭の雰囲気が味わえるのが7月の京都です。

地元民も観光に来られる方もジメジメを吹き飛ばすがごとく最高潮に盛り上がるこの7月に、是非とも特別な京都の雰囲気を味わいに来ていただきたいと思います。

鴨川納涼床

  • 開催日:2025年5月初旬~9月いっぱい
  • 場所:鴨川西岸
  • 概要:こちらは5月1日から9月いっぱいという時期で開催されていますが、7月は夏本番で一番賑わうのではないでしょうか?
    観光の方だけではなく、地元の会社の納涼会などでも利用されますので、とにかくこの時期の鴨川は賑やかです。

    京都ならではの盆地の蒸し暑さを、楽しく食べて飲んで吹き飛ばそうというたくましさも感じるのがこの時期の鴨川納涼床だと思います。
    是非とも京都ならではのこの活気を味わいに来てみてくださいね。

貴船の川床

  • 開催日:2025年5月初旬~9月いっぱい
  • 場所:左京区鞍馬貴船町
  • 概要:こちらも5月から始まっておりますが、貴船の涼しさを考えると7月は最高だと思います。
    最も都市部との気温差を感じるのがこの時期だと思いますので、寒いぐらいにひんやりする川床に来るにはぴったりの季節だと思います。

    豪華な食事と貴船独特の川床の涼は、夏の京都の風情を味わうにはもってこいです。
    また行き帰りはタクシーやバスも良いですが、京都のローカル線として大人気の叡山電車に是非乗ってみてください。

    叡山電車は様々な車両があり、どの車両に当たるかも楽しみですし、道中の景色も大変のどかで気持ち良いですよ。

祇園祭

    • 開催日:2025年7月1日~31日
    • 場所:東山区祇園
    • 概要:京都の祇園祭は、日本三大祭りの一つで、1000年以上の歴史を誇る伝統的な祭りです。
      毎年7月1日から7月31日までの1か月間にわたり、京都市内を中心に様々な行事が行われます。

      以下は、祇園祭の1か月間の主な流れです。

      7月1日〜7月5日: 吉符入(きっぷいり)と神輿洗い

      7月1日に「吉符入」と呼ばれる祭りの準備が始まります。
      各山鉾町では、祭りに関わる神事や準備が行われ、これが祇園祭の幕開けとなります。

      7月10日には、八坂神社で「神輿洗い」が行われ、神輿を鴨川で清める儀式が行われます。
      この神輿は、祭りのクライマックスである「神幸祭」で使われます。

      この時期になると四条界隈ではコンチキチンの音が流され、町全体でワクワクしてきますし、地元民にとっては「あ、夏が来たな」と再確認する時期でもあります。

      7月10日〜7月14日: 山鉾建てと宵山

      7月10日から14日にかけては、山鉾町で「山鉾建て」が行われます。
      山鉾は釘を使わずに縄で組み上げられ、その姿は圧巻です。

      この時期には町を歩けば間近で準備が見られるので、非常に京都らしい雰囲気で特別な感じがします。

      14日から16日にかけての夜は「宵山(よいやま)」と呼ばれ、山鉾に提灯が灯され、町全体が幻想的な雰囲気に包まれます。
      多くの露店が立ち並び、京都の街は観光客や地元の人々で賑わいます。
      それと同時になぜか毎年雨が多く、地元民は中学生や高校生の時に「浴衣で行ってずぶ濡れで帰ってくる」という体験をしている人が多いのではないでしょうか?

      7月17日: 前祭 山鉾巡行と神幸祭

      7月17日は、祇園祭のハイライトである「前祭(さきまつり)」の「山鉾巡行」が行われます。
      23基の山鉾が、京都市内を練り歩く壮大な行列が見どころです。

      山鉾は美しい装飾が施され、豪華絢爛な姿を披露します。
      山鉾巡行の後には、「神幸祭(しんこうさい)」が行われ、八坂神社から三基の神輿が市内を巡り、神々が町を守るために出発します。

      7月18日〜7月21日: 後祭の準備

      前祭が終わると、後祭(あとまつり)の準備が始まります。
      18日から21日にかけては、後祭に参加する山鉾の建て付けや飾り付けが行われ、21日から23日には、後祭の宵山が行われます。
      この期間も、前祭と同様に町が賑わいますが、後祭の方が比較的静かで、落ち着いた雰囲気を楽しむことができます。

      7月24日: 後祭 山鉾巡行と還幸祭

      7月24日には、後祭の山鉾巡行が行われます。
      この巡行には10基の山鉾が参加し、前祭とは異なる趣の行列が見られます。
      後祭の巡行が終わった後、夜には「還幸祭(かんこうさい)」が行われ、神輿が再び八坂神社に戻ります。
      これにより、町に平穏が戻るとされています。

      7月28日〜7月31日: 祭りの締めくくり

      祇園祭の最後の週には、「疫神社夏越祭(えきじんじゃなごしさい)」や、各町内での祭りの後片付けが行われます。
      そして、7月31日の「疫神社夏越祭」で、無事に祭りが終わったことを神に感謝し、1か月にわたる祇園祭が幕を閉じます。

      祇園祭は、京都の伝統文化が凝縮された祭りであり、京都市民のみならず、多くの観光客にとっても特別な行事です。

新選組供養祭

    • 開催日:2025年7月中旬
    • 場所:中京区 壬生寺
    • 概要:京都で7月に行われる「新選組供養祭」は、幕末に活躍した新選組の隊士たちを慰霊するための行事です。
      この供養祭は、新選組ゆかりの地である壬生寺で開催されます。

      壬生寺は、新選組の屯所があった場所として知られており、境内には新選組隊士の墓や供養塔が建てられています。

      毎年7月16日に行われる供養祭では、僧侶による法要が執り行われ、隊士たちの霊を慰めます。
      多くの新選組ファンや歴史愛好家が訪れ、彼らの業績や歴史に思いを馳せながら手を合わせます。

      法要の後には、剣舞や詩吟などの奉納が行われることもあり、当時の新選組の姿を偲ばせる演出が加わります。

      新選組供養祭は、隊士たちの魂に対する敬意を表し、幕末の動乱期に命をかけて戦った彼らの歴史を後世に伝える重要な行事として、京都の歴史文化の一部となっています。

    松尾大社御田祭

      • 開催日:2025年7月中旬
      • 場所:西京区 松尾大社
      • 概要:松尾大社の御田祭(おんださい)は、京都で毎年7月に行われる古式ゆかしい祭りです。

        この祭りは、五穀豊穣を祈るための伝統的な田植えの神事で、田植えが行われる田んぼの神霊を鎮め、豊作を祈願する意味があります。
        松尾大社は、酒造の神様としても知られ、農耕と密接な関わりを持つ神社です。

        御田祭は7月の第3日曜日に執り行われ、神職や氏子が参加します。
        神事は、まず本殿での儀式から始まり、その後、境内の神田で「早苗(さなえ)」と呼ばれる苗を植える模擬田植えが行われます。
        この田植えの様子は、豊作を象徴するものであり、古くからの儀式が厳かに再現されます。
        稲作に関わる道具や衣装も昔ながらのものが使われ、観覧者には日本の農耕文化を感じさせる光景が広がります。

        御田祭は、松尾大社の信仰と農耕文化が融合した祭りとして、京都の夏の風物詩の一つとなっています。
        また、京都市無形民俗文化財にも指定されています。

      みたらし祭(足つけ神事)

        • 開催日:2025年7月中旬~約1週間
        • 場所:左京区 下鴨神社
        • 概要:毎年7月に行われる「みたらし祭り(足つけ神事)」は、古くから続く京都の夏の風物詩です。

          この祭りは、無病息災を祈るための神事で、特に暑い夏の時期に健康を願う人々に親しまれています。
          祭りは通常、7月の土用の丑の日を含む期間に開催されます。

          参拝者は、神社境内にある御手洗池(みたらしいけ)に足を浸し、冷たい水で心身を清めながら、蝋燭を手に持ってお供えします。
          池の水は古くから「御手洗水」として知られ、清めの力があると信じられています。

          また、参拝者が御手洗池に入る際、湧き上がる泡が「みたらし団子」の形に似ていることから、この祭りが「みたらし祭り」と呼ばれるようになったと言われています。
          祭りの期間中、下鴨神社では特別なお守りや祈祷が行われ、参拝者は一年の健康と幸運を祈願します。

          みたらし祭りは、暑い夏にひとときの涼を楽しみながら、心身を清めることができる貴重な機会として、多くの人々に親しまれています。

      伊根祭(海の祇園祭)

        • 開催日:2025年7月最終の土日
        • 場所:与謝野郡伊根町
        • 概要:約400年の伝統を持つと言われるこの伊根祭(いねまつり)は、豊漁と海上安全を祈願するための夏祭りです。

          この祭りは、海の守護神として崇められている伊根浦の八坂神社を中心に行われ、伊根湾の美しい景観を背景に、地元住民や観光客が集まります。

          祭りの見どころは、海上での「船渡御」と呼ばれる行事です。
          神輿(みこし)が装飾された船に乗せられ、伊根湾を巡航します。

          沿岸部に点在する「舟屋」(ふなや)と呼ばれる独特の建物群を背景に、神輿を乗せた船が優雅に進む光景は、まさに伊根祭のハイライトです。

          伊根祭は、海と共に生きる伊根町の住民にとって大切な行事であり、地域の歴史と文化が色濃く反映された祭りで、京都府登録無形民俗文化財です。
          祭りを通じて、豊漁と安全な航海を願う伊根町の精神が長きに渡り伝えられています。

      まとめ

      7月の京都は、梅雨も始まり、湿度が上がってきます。
      ですが、雨と苔むした庭の美しさは格別だと思います。
      そして、各地で伝統的な神事が多く執り行われる時期でもあります。

      是非この7月の行事、そして梅雨の京都の情緒も堪能してみてください。

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